在宅医療アドバイス


SCD・MSA患者さんの災害時の対応

監修:国立病院機構 静岡富士病院 院長  溝口 功一先生

※ご所属表記は、原稿ご執筆時の情報です。
※静岡富士病院は、2017年10月から静岡医療センターへ統合されました。

溝口 功一先生

災害は「異常な自然現象や人為的原因によって、人間の社会生活に受ける被害」と定義されます。したがって、東日本大震災のような大規模災害から、水害や停電など、限られた地域におこるものまで含まれます。また、災害を引きおこす原因も、地震、津波、水害など自然現象から、火災、停電など人為的なものまであります。

災害対策には「自助」、「互助」、「共助」、「公助」があります。「自助」は自分でできることを自分自身で行うこと、「互助」は向こう三軒両隣で助け合うことです。「共助」とは一人の力では解決できないことを地域が協力して行うこと、そして、「公助」とは水道、電気などインフラの課題や、広域にわたる避難や援助などの行政的な課題を解決・調整することです。

また、災害対策で大切なことは、災害がおこるという意識を常に持ち、平常時から災害に備えることです。患者さんとご家族は、日頃から災害に備え、水など生活に必要なものを備蓄し、実際に訓練を行うことがとても大事です。では、大規模災害を引き起こす地震を想定して、患者さんとご家族ができる災害対策について一緒に考えてみましょう。

(原稿執筆 2017年2月)