在宅医療アドバイス


SCD・MSAの地域連携:総論

監修:新潟大学脳研究所 臨床神経科学部門 神経内科学分野 教授  西澤 正豊先生

1)新・難病法の施行

昭和47年に制定された「難病対策要綱」に始まる我が国の難病対策制度は、平成27年1月、「難病の患者に対する医療等に関する法律(以下「難病法」)」の施行により、厚労省令に基づく事業から法律に基づく制度に改められ、新たな時代を迎えました。今回の制度改革の基本理念は、「難病の治療研究を進め、疾患の克服を目指すとともに、難病患者の社会参加を支援し、難病にかかっても地域で尊厳をもって生きられる共生社会の実現を目指す」ことと明記され、住み慣れた地域で、難病患者さんと家族を多職種の専門家から成るケアチームが支援する「地域包括ケアシステム」を構築することが目標とされています。この点では、平成27年1月末に公表された認知症に対する「新オレンジプラン」と全く同じ目標が立てられていることになります。

制度改革の具体的な柱としては、①効果的な治療方法の開発と医療の質の向上(難病研究の推進、難病患者データベースの構築、医療提供体制の確保など)、②公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築(医療費助成の対象疾患及び対象患者の見直し、患者負担のあり方の検討、医療受給者証の交付など)、③国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実(難病に関する普及啓発、難病相談・支援センターの機能強化、福祉サービスの充実、就労支援の充実、難病対策地域協議会の設置など)の3項目が掲げられています。

新しい制度では、新・難病医療拠点病院と難病医療コーディネーターを中心とする難病医療のネットワーク、難病相談・支援センターを中心とする福祉のネットワーク、保健所の難病担当保健師と難病対策地域協議会を中心とする地域のネットワークの3つが組織され、これら3つのネットワークが有機的に連携して、地域で生活する難病患者さんと家族を支援することになります。

(原稿執筆 2015年3月)