SCD・MSAの治療薬について

SCD・MSAの症状と治療薬の種類

脊髄小脳変性症(SCD)・多系統萎縮症(MSA)は、運動失調が主な症状である神経変性疾患の総称です。病型により症状が異なりますので、主な症状と使用される代表的な治療薬を以下に示します。

症状と治療薬の種類

(1) 運動失調症状

筋力は正常なのに、筋肉が協調して動かず運動が円滑にできない状態。

歩行障害(ふらつき)
四肢失調
構音障害 など
  • 経口脊髄小脳変性症治療剤
  • 甲状腺刺激ホルモン
    放出ホルモン
(2) 錐体外路症状

大脳基底核などの運動調節が障害され、不随意運動が出現したり、運動がスムーズにできなくなったりする。

パーキンソニズム
  • 筋強剛(こわばり)
  • 動作緩慢・減少
  • 姿勢反射の障害
  • 抗パーキンソン病薬
(3) 錐体路症状

大脳からの運動の命令を伝達する経路が障害され、運動麻痺などの随意運動に関する異常が生じる。

痙縮(つっぱり)
  • 筋弛緩薬
(4) 自律神経症状

汗の量や血圧などの調整を行っている自律神経の働きが乱れることにより様々な異常が 生じる。

起立性低血圧(めまい、 たちくらみ)
排尿障害
発汗障害 など
  • 自律神経調整薬

監修:国立精神・神経医療研究センター 理事長・総長 水澤英洋先生