ご家族の皆さまへ


ご家族がSCD・MSAと診断されたら

病気と向き合う

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SCD・MSAと告知されたとき、ご本人やご家族の方々には、すぐに事実を受け入れるのは難しいことかもしれません。根本的な治療法はなく、進行を完全には止められない。闘う目標を見出しにくい病気ですから、無理からぬことです。
はじめは、ご本人の落胆ぶりも相当かもしれません。でも、しばらくは静かに見守ってください。気持ちの整理がつけば落ち着き、多くの場合、自然に病気を受け入れられます。そして、ご家族の方々も現状を受け入れ、なるべく自然に治療と心の両面をサポートしてください。


病気を知る

たしかに、SCD・MSAを完全に治す方法はありません。しかし、進行はゆっくりで、適切に対処すれば様々な障害を遅らせることもできます。そのためには、まず病気を正確に知ることが大切です。


<SCDと合併症>

SCDでは合併症が亡くなる原因の多くを占め、SCDが直接の原因となって亡くなることは、それほど多くありません。主な合併症として、肺炎と尿路感染症が挙げられます。

  • 肺炎:病気の進行で嚥下障害がひどくなり、気道へ食べ物などが入ってしまうことで起ります。
  • 尿路感染症:排尿障害がひどくなり、膀胱の残尿や膀胱留置カテーテルを介して感染症を起こすことがあります。

<MSAと突然死>
  • 声帯のマヒにともなう呼吸停止などが原因となり、まれながら突然死に至ることもあります。ひどいいびきや、声のかすれには要注意です。

<合併症や突然死の予防>
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合併症や突然死は、以下のような対処や適切な生活指導によって、発生の危険性を低下させることができます。ぜひ、定期的な受診により、前向きな姿勢で臨んでください。

  • 肺炎や尿路感染症の予防:適切な時期に、胃ろう造設による栄養管理や膀胱留置カテーテルによる導尿などを行います。
  • MSAによる突然死の予防:気管切開をして、呼吸路を確保します。

<病型を知る>

また、この病気にはいろいろなタイプ(病型)があり、それによって症状が異なる場合もあります。ですので、ご自身の正確な病型の把握も大切です(“SCD・MSAの病型解説”を参照)。


監修:国立精神・神経医療研究センター 理事長・総長 水澤英洋先生