SCD・MSA相談Q&A
脊髄小脳変性症(SCD)・多系統萎縮症(MSA)と診断された患者さんやご家族の方々は、病気や診療などについて、知りたいことやわからないことが、いろいろあるかと思います。
そこで、これまでSCD・MSA治療を専門とされる先生方に、寄せられた質問とそれに対する回答を掲載致します。SCD・MSAに対する疑問や不安の解消の一助となれば幸いです。
Q&A
ご質問内容をグループ分けしていますので、まず、ご覧になりたいご質問内容を下記よりお選びください。
質問内容(Qの部分)をクリックすると回答内容(Aの部分)が表示されます。
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各種医療助成制度に関するご質問
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診断を受けて精神的につらい状況であれば、まずお近くの地域包括支援センターでよく相談なさることをお勧めします。
また、療養上または生活上の悩みや不安などは、難病相談・支援センターへも相談することができます。MSAの症状は徐々に進行しますが、勤務可能なうちは、できるだけお仕事を続けながら、日常生活を有意義に過ごされることをお勧めします。
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現在、「セグウェイ」のような乗り物は、介護保険を適用して障害者向けに貸し出すようには公的に認められておりません。
一番、ご要望に近いものとしては「電動車椅子」が考えられますので、医療ソーシャルワーカーに入手方法を相談してみてください。また、あなたが安全に操作できそうかは、リハビリテーションスタッフなどに相談してみましょう。
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要介護認定を受けたうえで、地域の難病相談・支援センターに相談して、適切な介護施設を紹介してもらうことをお勧めします。
介護保険の在宅サービスとして、認知症の方を対象としたサービス(認知症対応型通所介護)があります。また、施設サービスとして、常時介護が必要で生活が困難な方が入所して介護を受ける施設(介護老人福祉施設)、長期の療養を必要とする方が入院する病院(介護療養型医療施設)などもあります。
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手帳というのは身体障害者手帳のことでしょうか。脊髄小脳変性症と診断されていれば、身体障害者手帳を取得できます。
身体障害者手帳を所持していれば、手当や日常生活用具の給付、税金や公共料金の優遇(控除や減免)、公共交通機関の割引等、法に基づいた援助を受けることができます。申請手続きは市区町村の障害担当窓口へ、必要書類(身体障害者手帳交付申請書、指定医による診断書、写真、印鑑等)を持参し申請します。
また、今の仕事が困難になってきた際は、会社の産業医に相談して配置転換などの工夫があり得ると思いますし、高齢・障害・求職者雇用支援機構にて就労支援の相談も可能です。 -
世帯収入や重症度により変動しますので一概に薬剤費はお伝えできませんが、難病に係る医療助成制度の対象です。
SCDやMSAは、指定難病ですので難病に係る医療助成制度の対象です。世帯収入や重症度により月額自己負担は変動しますが、最大でひと月3万円までです。 本Webサイトの「各種申請・給付手続きについて」 でも、医療助成制度などの給付に関する情報をまとめていますので、参考にしてください。
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まず、保健所や難病相談・支援センターの窓口に相談することをお勧めします。
窓口で入院を希望する旨を相談すれば、介護保険を適用できる介護療養型病床群や老人健康施設等の医療提供施設への入所を紹介してくれるかもしれません。
しかし、介護保険サービスを受けていても病気が悪化したり、新たに病気になったときは、一般の医療機関において、通常の医療を受けることも可能です。その場合は、費用は医療保険が適用されます。 -
まずは、神経内科を受診して診断を受けてください。SCDと診断された場合は、さまざまな医療助成制度を受けることができます。
お申し出の症状とお母様の病歴から、遺伝性SCDの可能性がありますので、神経内科専門医にて診断を受けるようにしてください。
もし、SCDの確定診断を受けた場合は、難病医療費助成制度や介護保険などに基づくさまざまな助成やサービスを受けることができます。
唯、難病医療費助成制度は、平成27年1月より改定されました。患者さんの所得に応じて自己負担額が変わる、医療費助成の対象となる医療機関等(病院、診療所、薬局、訪問看護事業所)は都道府県が指定した「指定医療機関」となることなど、内容の変更がありますので注意してください。
また、各制度はご自身で手続きしない限り、給付を受けることはできません。申請内容をよくご確認のうえ、申請するようにしてください。
当サイトの下記ページにも各種助成制度の申請に関する情報を掲載しています。
http://www.scd-msa.net/family/application/ -
デイケアや訪問介護のリハビリを活用したり、難病相談・支援センターで悩みや不安を相談することをご検討ください。
障害を受け入れるには困難を伴います。また、病気を宣言されたショックや病気の進行による焦りや悲観などからストレスが溜まることも多く、症状が不安定になりがちです。 お近くの地域包括支援センターでよく相談し、デイケアの利用や訪問介護によるリハビリを上手く活用するのが良いでしょう。
また、療養上や生活上の悩み、不安などは、難病相談・支援センターに相談されるのが良いでしょう。 -
この場合は、身体障害者手帳の交付対象とはなりません。
外国に住所があるとき、例え戸籍が日本であっても日本国内に住民票が残されていない場合は、身体障害者手帳の交付対象とはなりません(身体障害者福祉法施行令第4条)。
また、申請の際に身体障害者福祉法第15条により、都道府県知事が定める医師(身体障害者福祉法指定医)による医師意見書・診断書が必要と定められています。
現在の海外居住地において、同様の制度がないかを現地の公的機関でご確認なさることをお勧めします。 -
介護保険担当窓口などにご相談されることをお勧めします。
介護保険制度は、本来65歳以上が対象ですが、SCD・MSAの場合は40歳以上であれば利用できます。
申請すると所得に応じて医療費の一部が助成され、認定を受けた方の状態により、ヘルパー派遣制度を含めた種々の介護サービスを受けることができます。
一度、市区町村の介護保険担当部署、または地域包括支援センターへご相談されることをお勧めします。
監修:国立精神・神経医療研究センター 理事長・総長 水澤英洋先生