在宅医療アドバイス


SCD・MSA患者さんの災害時の対応

監修:国立病院機構 静岡富士病院 院長  溝口 功一先生

※ご所属表記は、原稿ご執筆時の情報です。
※静岡富士病院は、2017年10月から静岡医療センターへ統合されました。

発災後の生活について

8)避難所・仮設住宅での生活

避難所には、通常の避難所と福祉避難所があります。福祉避難所の利用は一旦、避難所に避難した後、介護の状況等により移動することになります。また、災害によってはご自宅が損壊したなどにより長期の避難生活が続き、仮設住宅での生活が始まる方もいらっしゃいます。

避難所での生活では、プライバシーが確保できない、動作が不自由なことを周囲の人達にわかってもらえない、嚥下の問題から食事が食べられなかった、トイレが使いにくいなどの課題が挙げられていました。ただ、食料や薬剤などは避難所や福祉避難所にいる方が、速やかに供給される可能性があります。

また、熊本地震では、バリアフリーの仮設住宅も建築されました。今後、仮設住宅では一定数のバリアフリーの仮設住宅が建築されるだろうと推測されます。ただ、災害が広域になると住んでいらっしゃる地域にバリアフリーの仮設住宅が建設されるかどうかは不明です。

避難所、福祉避難所、仮設住宅ともに、都道府県や市町村の管理となります。まずは、避難所の管理者の方達や市町村の方々に、ご自分の疾患をよく説明し、どういった支援が必要なのかなどについてよく相談する必要があります。また保健師の巡回相談などもありますので、それらの機会を通してご希望をお話しされてもいいでしょう。

SCD・MSAは、誰もがよく知っている病気ではありません。したがって、まずは困っていることを声に出すことが必要です。

以上、患者さんとご家族が自分の身を自分で守るため留意していただきたいことを中心に解説してきました。十分とはいえませんが、災害対策のはじめの一歩は災害がおこったときのことを考えることです。また、災害対策を考えることは、ご自分の生活を見直すきっかけにもなりますから、ぜひ災害対策のはじめの一歩を踏みだしてください。

(原稿執筆 2017年2月)